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福本 雅弘
放射線防護医療, (3), p.22 - 24, 2007/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律の指定公共機関であり、国民保護措置に関する諸施策の基本をJAEA国民保護業務計画で定めている。茨城県における国民保護実動訓練(平成18年)を参照例にして、国民保護法に基づく原子力災害における指定公共機関としての役割を述べる。原子力災害対策特別措置法に基づく原子力災害と武力攻撃等原子力災害の相違点としては武力攻撃等に関する屋内退避,避難の検討が必要なことなどが挙げられ、これらを踏まえ、今後も国民保護実動訓練等により我が国の武力攻撃等原子力災害対策の実効性が向上され、JAEAにおいても国内外事例の調査等に基づき情報発信を行うことや技術的支援能力の向上に努めることが肝要である。
渡辺 均
放射線防護医療, (3), p.28 - 30, 2007/11
核燃料サイクル工学研究所では、使用済核燃料再処理施設のほか多くの研究施設を有しており、これら施設の周辺環境に与える影響をモニタリングするため、放射線量率や各種環境試料中の放射性物質の測定を実施している。これら原子力施設周辺の環境モニタリングを実施するにあたって考慮しなければならないのは核実験の影響(フォールアウト)である。核実験は1945年から始まり1962年までアメリカ,ソ連,イギリスにより延べ数百回に及ぶ大気圏内核実験が実施されフォールアウトの影響を受けてきている。中国の核実験は、1964年から1980年かけて行われその影響が日本各地で観測されている。本報告では、核実験等が行われたときに実施する放射線環境監視と中国核実験の過去の影響や特徴について報告する。
鳥居 建男
放射線防護医療, (3), p.10 - 13, 2007/11
近年、雷活動に起因すると考えられる放射線レベルの上昇が日本の冬季雷をはじめ、山岳雷や米国での夏季雷でも観測されている。また、米国では雷雲内の電界強度の観測が気球観測等により行われているが、これまでの観測結果から、ほとんどが1気圧換算で二百数十kV/m程度の電界強度しか観測されていない。実験室での放電実験では放電開始電圧は約3,000kV/mであるのに対して1桁も低い値である。なぜ雷雲では1桁も低い電界強度で放電(雷)が発生するのか、地球物理学上の謎ともなっている。本稿では、この雷からの放射線発生現象と雷放電の発生メカニズムの鍵となる逃走絶縁破壊について報告する。さらに、核実験時に雷が発生することはよく知られているが、その事象についても触れる。